水たまりのような悲しみに。


仕事で大変お世話になった上司が亡くなった。
まだまだお若く、これから、という方だった。
とても頭の回転が速く、周囲のいろんなことに気がつき、
そして部下や若い人たちの気持ちを汲むのが上手な方だった。

数年前、その方が入院されている時に、何か差し入れを、ということで、
部署の方々と相談し、激励の言葉を書いた色紙をおくることになった。
その色紙に、私はその方の似顔絵を描かせていただいた。

似顔絵を描く、というのは、とても不思議な行為。
その人に対する想いや愛情をきちんと持って描くと、
必ずソックリなものが描ける。
その時も、われながら、すごく似てる!という絵を描いた。

その方が退院してすぐ、
似顔絵のことを言って、家内と娘がとても喜んでくれたんだ、
と嬉しそうに話してくれた。

私が婚約したときも、とても喜んでくれた。
愛犬が亡くなったときも、一緒に立ち止まって悲しんでくれた。

不思議なことにまだ実感はなくて、
そうなんだ・・・、というフワフワした感じのまま。
ただ、悲しみはじんわりと心に溜まっていて、
その水たまりのようになってるところに、
今はそっといようと思う。

似顔絵の話をしたときの、その方の照れくさそうなお顔を、
思い出しながら。


Comments

  1. えみさん、こんばんは。
    私も2年半ほど前に身近な人を亡くして、今でも実感ないままです。
    でも、以前より今のほうが亡くなった人を近くに感じるんですよねー。
    えみさんの上司の方もきっといつも近くでえみさんを見守っていてくれますよ。

    私もまた今度、えみさんの笑顔に会いたいです。

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    1. Pさん、優しい、優しいコメントありがとう。
      身近な方を亡くされたのですね・・・その悲しみはいかばかりか・・・。
      それでも身近に感じられるというのは、Pさんのそばにいらっしゃるからでしょうね。
      きっとそうなんだと思います。

      Pさんにこうやって書いていたら、Pさんの笑顔が浮かんできて仕方がありません。
      私も、とても、とても会いたい!!です!!

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