私は幸せ者です

Nikon F3/NATURA1600

ちょうど、亡くなったワンコがそうだった。
そんなことを思い出した。


ワンコも人も、いきなり誰かに、とびっきりのお祝いをされると、
喜びを越えて、泣きそうな顏に、なるんだなあと。



先週、上司の誕生日だったので、
サプライズでお祝いをしました。

50を過ぎて、ご家族のことや、いろんな想いを抱え、
それでも、愚痴や悪口を一切言わず、まっすぐに生きてる姿を見て、
陰ながら尊敬していたので。

お花見に行きましょう、と称して、
桜の綺麗な場所に連れ出し、
皆でお祝いさせていただきました。

お店のスタッフさんたちが大勢で、
Happy Birthdayを歌いながらケーキを持ってきた時、
上司は、びっくりするぐらいに縮こまり、
可哀そうなぐらいに、泣きそうな顔をしていました。

よほどビックリされたのか、照れてらっしゃったのか・・・。
少し触れたら、わっと泣いてしまいそうなぐらい、
泣き顔の上司・・・。

「あれ、ちょっとやりすぎたかしら？」
そんな風に思いながら、その夜は終わり。

翌日、上司からメールが来ました。

「私は、こんなお花見と誕生日は、初めてでした。」

そんな言葉から始まったメールには、
皆に対するたくさんの謝辞が、
びっしりと書かれてありました。

そして最後に、
「私は幸せ者です！ありがとう！！」

たくさんの喜びが、詰まっていました。
私もそのメールを読みながら、
なぜか涙が出てきて、胸がいっぱいになりました。


ああ、そうだった。
あの泣き顔は、最高の心の現れだったのだと。

誰にでもわかる喜び方じゃなくても、
あのとき上司は、とても嬉しかったんだなあと。


そして、亡くなった愛犬が、
Happy Birthday を歌うと決まって、
体中をブルブルと震わせて、鳴いていたことを思い出しました。

それは彼の、最大級の、
命の喜びでした。

ワンコと上司を重ねては、失礼かもしれないけれど、
私はそんなことを、思いました。

日々は、いろんなことがあるけれど、
こんな素敵なことが、ちりばめられているんだ。

そんな風に、思いながら、
春と、桜を、見上げています。