無意識の向こう側











写真制作を始めています。
多くの人に見てもらう為の作品づくりです。

暇さえあれば、写真のことを考えています。(ハッセルのことも・・・)
写真についてこんなに考えたり、悩んだりしたことがないので、
とっても新鮮で、面白いなと思います。

とにかく撮る。撮って、チャンスがあれば見てもらい、
自分の作品を世に出していくこと。
今はそれを一番に考えています。


以前は、「多くの人に見てもらう」ということに対して、
まっっったーく興味がありませんでした。

ただ、ここ数カ月、人に見てもらうチャンスが増えたこと、
感想や批評してもらうことが、かなり刺激になると感じられたこと、
それ以外にも多くの機会が重なって、今に至りました。

写真について、考える、ということ。

写真を撮る、という行為は、私にとって、
無意識にキャッチしたものを撮る、という、
ある意味、動物的感覚に近いものでした。

目で見たものを撮る、というより、
全身で感じてる何かを撮る。

今、そこに自分の意志、意識を、あえて「入れる」ようにしています。
何を撮りたいか意識している状態。

もちろん実際は、今までだって、
意志やら意識は入っていたとは思うのですが、
写真教室などで「その写真がどういいのか説明する」とか、
写真について考えるという行為は、頭でっかちになってしまい、
写真が撮れなくなりそうで、敬遠していました。

でも、それは間違いでした、
少なくとも、今の私に関しては。

私たちは、何かを考える時、
必ず言葉を通しています。
感じたときですら、
何かその感覚にフィットする言葉を探します。

今まで私は、言葉を、少し軽んじていたように思います。
感覚だけが全てだと、言葉は付随してくるものだと。

でも、私たちの人生は、必ず言葉と共にあります。
言葉に縛られてしまうのも、言葉の恩恵を受けるのも、
私たち人間であることの証。
だとすれば、言葉から逃げず、
向き合うことは、決して無駄なことではないはず。


今、そんな感じで、
言葉や思考を通して、写真と向き合っています。

なぜ撮りたいのか。
何を撮りたいのか。

私の写真とはどういうものなのか、他の人とはどう違うのか。
上手い写真を撮りたいのか、そうじゃないのか。

デジタルじゃなくて、なぜフィルムで撮りたいのか。

なぜ写真なのか。

ネットや雑誌、さまざまな媒体に写真が溢れていて、
高級カメラだって、ちょっと頑張れば手に入る時代で、
たくさんの人が写真家になれる世界で。

皆と同じように撮りたいのか、
それとも私しか撮れないものがあるのか。

何を、誰に、どう伝えたいのか。

もしかしたら撮れなくなるかもしれないし、
面白くなくなるかもしれません。
元に戻るかもしれません。
「考え抜いてそれかい!」っていうオチも当然あると思います。

それでも、いいのです。
いったん、今までと違う、その「向こう側」に行こうとすることで、
必ず何かを持ち帰られると信じているのです。

今私は、そんなことを考えています。
あんまり回らない頭で、それなりに。









Comments

  1. 若い人が写真を始めるきっかけは、「カッコ良さそうだから」とか「みんながやっているから」など、自分の主体性がないまま始める方が多いようです。でも貴女は自分でしっかりと写真を始める意識を持っているようにお見受けします。先日東京の富士フォトサロンでユージンスミスの写真を見てきました。同時開催の写真展よりこちらの方が作者のメッセージが良く伝わりました。自分は回りによく言っています。「写真には答えが無い。評価する人もあれば評価しない人もいる。数学のように答えは一つではない。」コンテスト入賞歴もない自分にとっては自己への慰めかもしれませんが、このスタンスをつらぬこうかと思っています。是非、写真を撮り続けてください。

    ReplyDelete
    Replies
    1. PhotoAMさん、ありがとうございます!!
      コメント読んで、思わずウルッとしてしまいました。
      真剣に書いた文章だったので、
      受け取って読んでもらえたことが、何よりも嬉しかったです。
      写真でこんなこと初めてです・・・。
      はい、頑張ります。
      どこまで行けるかわかりませんが、
      これからずっと撮り続けていきます。

      私も、ユージンスミスさんの写真展、近々行ってきます。
      見るということも、大事ですよね。

      コメント、とても励みになりました。
      まだまだ未熟なところが多々ありますので、
      これからもアドバイスいただければと思います。

      本当にありがとうございます。

      Delete
  2. 先日はご訪問ありがとうございました。
    Emi さんの写真もとてもステキですね!そしてこの記事を読んでびっくりしました。まさに同じようなことを考えていたので。僕も感覚で撮ってきました。ピンと来たらシャッターを押す。そして言葉はできるだけ添えずに。吉本さんの「沈黙」のように本質は言葉には出来ない。上の方もおっしゃっているように写真には答えがないとしたら、これもひとつの正解かもしれません。
    けど、人は意思を疎通させるために言葉を発明したというのも事実です。自分が心で感じたことをそのまま相手に同じ「感じ」を伝えることができないのだから、はやり言葉から逃げてはだめなのかなと。
    僕の場合、「考え抜いてそれかい!」っていうオチにいく確率がかなり高そうですが・・・(笑)。
    Emi さんの「向こう側」へ行こうとする過程をぜひ聞きたいなと思います。
    これからもお邪魔させていただきますので、よろしくお願いしますね。

    P.S. あ、僕も路地好きです。が、今はアメリカに暮らしていて路地っぽいところが少ないのが残念です。あっても日本ほどごちゃっとしない(広すぎてなりようがない)のもこれまた残念。

    ReplyDelete
    Replies
    1. Makotoさん、こちらこそコメントありがとうございました!

      Rolleiflex Standardであんなに素敵な写真が撮れるんだ・・・と、
      一気にファンになってしまいました。
      前のブログのほうも今のブログも、読ませていただいて、
      写真と文章のセンスが素敵です。
      私、はじめてアメリカに行きたいと思いましたよ!(笑)
      映し出される空気に心地よさを感じるのです。

      アメリカは路地、無さそうですよね^^
      でも、だだっぴろい、からっとした道の雰囲気、憧れです。

      写真について考えてたら、昨日知恵熱が出ました(爆)
      こんなんで向こう側に行けるのでしょうか。
      どうか見守ってくださいませ。

      これからもたくさんたくさん写真を見せてください。
      また遊びにいきます!!
      こちらこそどうぞよろしくお願いいたします☆

      Delete

Post a Comment

Popular Posts